4月4日 午後

来賓講演
「静岡・丹那地域を活性化する自然型酪農と自然型農業への取り組み」

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次にJA函南東部の片野組合長から『静岡・丹南地域を活性化する自然型酪農と自然型農業への取り組み』と題してご講演いただきました。
まず、酪農家が構成員の多くを占める函南東部農協が、様々な岐路に立たされながらも、苦難を乗り越え今日まで存えてきた歴史が語られました。

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牛たちに手をかけず低価格の乳製品が市場を占める中、牛の食事に含まれる硝酸体窒素にまで気を配り、牛の健康を守る事で乳製品の質を高めブランド化した函南東部農協の取り組みが伝えられました。
酪農家、農家を守りたいという片野組合長に大きな拍手が送られました。

来賓講演
「免疫力アップの生活と食」

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安保徹氏は、自律神経、免疫力、エネルギー生成系のキーワードを使い「免疫力アップの生活と食」のお話をされました。
安保氏は、能力の限界を超えるような忙しさや悩みに巻き込まれると病気になってしまうこと。
日本人はまじめで責任感の強い人が多いので、この流れ(交感神経緊張)で多くの人が病気になってしまうこと。
生き方を正さないと病気から脱却することはできないこと。
病院と薬では解決できないことが多いことなどをわかりやすく、しかも楽しくお話しされました。

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また、自律神経の働きと免疫力は連動しているため無理しても楽をしても免疫力は低下してしまうことや低体温が病気をまねくこと、体内のミトコンドリアの活力を上げる高体温が健康には重要なこと、砂糖のとりすぎの害や、天然のミネラルを含む塩の摂取不足の害、太陽にあたる重要性など様々な健康に対する大事な情報に触れる講演となりました。

基調講演
「免疫を高める食と農業 ~病気にならない食、病気にならない農業~」

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シンポジウムの最後を飾るのは、由井寅子大会長の発表。
「免疫を高める食と農業 ~病気にならない食、病気にならない農業~」。

まず由井会長がこの度ブータンで国王との謁見が実現できた理由のひとつ
「自然農を実践しているホメオパスでありブータンに固定種の種を持ってきた」
ことを綴った手紙が国王の目にとまったエピソードが紹介されました。
ブータンは自然農を実践しており豊受自然農の考えとも共通点が多いようです。

しかし幸せの国ブータンと対照的に幸福度の低い日本の現状があり、日本は遺伝子組換えの承認件数1位の国であるという深刻な食の問題も抱えています。
また食原病以外にも予防接種による医原病も加わり、発達障害児や難病患者の数は著しく増え続けています。

今回の発表の中ではそのような現状への問題提起をするとともに、対策としてホメオパシーの解決法を紹介していただきました。

由井会長は、現代人の病気の多くはミネラル不足から来ることに着目し、その原因として近代農業が土を薬漬けにしてしまったことをあげられました。

由井会長は日本の農業を復興すべく豊受自然農の代表として
自然に基づいた土づくりにこだわり、土に必要な発酵液や乳酸菌、麹、微生物などの力を借りることでフカフカのミネラル豊富な土壌を作ることに成功しました。

いのちの土の栄養を吸い上げた豊受の圃場、野菜たちの気がパッケージされた豊受の画期的な農業実践の様子がDVD上映されると、映像から溢れるエネルギーに観客席のあちこちから感嘆の声が漏れていました。

また由井会長の症例も紹介され、生まれつきのカルシウム不足から骨の障害があり、
歩けなかった子供がホメオパシー相談会にかかり自力で歩けるようにまでになったケースには来賓の方々も非常に驚き、目を見張って、画面にくぎ付けになっている様子が印象的でした。

人間にとってミネラルがとても大事でそのためには自然農で土から作り上げることがいかに大切であることを全身全霊で私達に訴えてくれた由井大会長の発表は今回も大きな感動を与えてくださいました。

豊受の六次産業のエキネシアプロジェクトや化粧品、加工品をはじめとする商品、
オーガニクスレストランのオープンなど豊受のあゆみはとどまることを知りません。
この春より農業大学校より若い世代のスタッフも入り、ますますの発展を感じさせる
今回の発表は、日本の農業の希望を感じられる素晴らしい内容でした。

パネルディスカッション

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登壇者の発表が終わった後、締めくくりのパネルディスカッションが行われ、
相互の発表に啓発された大変、深い内容のシェアとなりました。

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由井寅子大会長からは、今回の基調講演、全発表を踏まえ感想と提言をされた後、「食」については理屈でなく「美味しい」ことが、幸せ感や幸福感につながる点を話されました。幼少時代に自身が世話を任されていた鶏を母親が夕食に鶏鍋で出された話を例に出し、家族のようにかわいがっていた鶏を失った悲しみ、しかし、体はなぜか、鶏鍋の美味しさに感動しているという2つの矛盾する複雑な感情の中から、食については、安心、安全にプラスして、「美味しさ」にこだわることが健康や幸せにつながる点からその点にもこだわって、農業から食の提供についての実践を行っている点を話されました。

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安保徹先生は、講演に引き続き、免疫と健康に関する大切な点に触れられた後に 日本人は気づけば、変わることのできる民族であり、農業、食、そしてお薬や医療についても、皆が気づくことで、一気に変わっていける。参加者の心にほっとする安心や希望をあたえ、心を癒してくれるお話しをされました。

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南出喜久治弁護士は、日本の農業を元氣にするためには、戦後、農政がミスリーディングしてきた減反など米づくりの政策の間違いを指摘し、農家が元氣になるような施策の実施の必要性を説かれ、江戸時代、徳川吉宗が行った享保の改革を例にあげ、当時「囲い米」として、災害や飢饉に備え「籾(もみ)米」で備蓄することで、流通米の市場流通を制御してきた歴史的な知恵を例に、農民がやる気を持て、さらに食糧自給、災害や食糧不足に備えた仕組みの必要性を説かれました。また、食については「おふくろ」の味として、家族で食卓を囲んで、みんなで同じ食事をいただく「家族の食卓」(団らん)から、家族の結びつきを取り戻すことが、今日、失われかけている家族の結びつきの大切な部分を取り戻すことにつながるという提案をされました。

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小谷宗司先生は、日本が生薬材料の自給を目指すことの重要性に触れ、このテーマに真正面から取り組もうとされている日本豊受自然農の活動を応援していきたいと話されました。「身土不二」の話にも触れ、今、日本人が食べている食べ物のほとんどが外来種になっている現状に、わさびやミョウガなど日本人が昔から食べてきた食べ物を「旬」の時期にいただくという、今は失われかけている部分についてその大切さを話されました。

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パネルディスカッションで登壇された高野弘之医師(豊受クリニック院長)は、離島医療に携わった後に、直接のきっかけは不自然な出産による様々な問題から現代医療の抱える様々な矛盾に悩まれ、統合医療的なアプローチを研究するにいたった経緯を話されました。様々な健康に関する勉強を始められ、その中でカレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(CHhom)で4年間、 ホメオパシー医学を学ばれ、現在は患者に寄り添う医療を提供できる場としての豊受クリニックを開業していることや、本日の食原病のケースとして大会長が発表した、くる病がわずか1週間で改善したお子様のケースに触れ、現代西洋医学では考えられないような改善であり、そういった ホメオパシーも含めて病気などに対処されている方を自らも現代医学の医師としてサポートされている点を話され、また離島医療の時代には、あまり考慮に入れていなかった、「食」や「栄養・必須ミネラル」など部分が健康回復には大変重要なことを気づかされ、砂糖の過剰摂取や、様々な不自然な食を体に入れないことが健康のために重要である点などを話されました。

閉会の挨拶

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そして最後に、本日素晴らしい発表、シェアとなった今回のシンポジウムにつき感謝の言葉が由井寅子大会長から述べられ、第4回 日本の農業と食シンポジウムは大盛会の中、締められました。