2022年6月18日(土)第14回 日本の農業と食を考えるシンポジウム エキネシアハーブ畑での花摘み収穫祭から始まる大盛況の一日となりました

本日は、日本豊受自然農による「日本の農業と食を考えるシンポジウム」が行われました。14回目となる今回のテーマは「食料危機を乗り越える鍵は“豊受式”自然農にあり」。昨今の国際情勢から日本の食料自給、今後のパンデミックや天変地異に備え、“私たちにできること、その答えとしての自然農”についてを包括的な角度から発表がなされました。

今回、これまでのイベントと違う点で特に注目されたのは、オープニングイベントとしての「韮山金谷地区・エキネシア畑での花摘み収穫祭」が同時開催・生中継されたこと。

このイベントの開催にあたっては、深い意義があります。

それは、高齢化などで農業をやめる人が増え、貴重な日本の農地は、どんどん耕作放棄地となっているという憂慮すべき社会課題。

日本の食料自給率にも直結するこの問題について、日本豊受自然農一同も当然真摯に受け止めており、農地の開墾と再生に真摯に取り組んできました。そして、豊受農民たちの努力の甲斐があって、荒れ地だった韮山金谷地区の圃場を、数年がかりで見事に田んぼとハーブ畑へと再生させたのです。

「地域の皆さんや行政と互助しながら、自然農で環境を守り地域振興したい。日本の農業の復興を、ここ伊豆の国市から始めたい」という、由井代表の強い思いとともに、今回、農地と花畑の一般公開として皆さんをお招きして、お披露目のセレモニーを行うこととなったのです。

『第一部』
●オープニングセレモニー

曇り空の下、一面をピンクに彩るエキネシアの花畑をバックに、由井代表の開会挨拶から始まったオープニングセレモニー。北米原産のエキネシアは古くから傷の化膿止めや消毒に使われたり、免疫を上げる作用のあるハーブとして使われてきました。精神的にも「希望を与えてくれる花」なのだそうです。この時代「自ら治癒力を高めて元気になろう」というメッセージを伝えてくれます。


あいさつの中で由井代表は、この地にご縁をいただいたことへの思いと紹介してくださった伊豆の国市への感謝の言葉を語ります。続いて、苦労しながらここを開墾した豊受農民たちからも「絶対に何とかしてやろうと頑張った」「カブトエビが戻ってきました」「これからも荒れ地を蘇らせたい」と想いが伝えられました。生い茂る葦を切り拓き、水を引けなかった土地に80mのパイプを入れた苦労が報われた瞬間でした。

続けて由井代表からは、豊受自然農の新たな取り組みも紹介。

植物育成用の「アステカライト」は、春の光を再現して作られたもの。太陽光の不足を低い消費電力で補い、野菜が大きく育つのを助けてくれます。Nisolさんの「ボタニカルライト」は、土壌の中の「発電菌」と植物の根が放出する電気を利用して光る仕組みです。新しい技術が希望を与えます。

豊受オリジナルの「エキネシア・サンブルッホ」「スパークリング豊受原酒」で乾杯の準備が行われます。

乾杯の挨拶をしてくださったのは、来賓・伊豆の国市の山下正行市長でした。農水省ご出身で農業問題にも造詣の深い山下市長は「食料安全保障の点でも、自給率をあげるために増え続ける耕作放棄地を再生したい。里山の風景にマッチするこの活用を参考にさせていただき、政策にも取り入れていきたい」と「有機、自然農にも足を踏み入れて今年から助成をはじめ、積極的に取り組んでいきます」と前向きなメッセージをいただきました。

伊豆の国市では耕作放棄地リノベーションや有機農業促進事業について予算を拡充するなど、農業振興施策にも力を入れているそうです。

地域の区長さんからもご挨拶をいただきました。「地区としては、耕作ができない土地が再生されていくのは大変ありがたいこと。継続的にこの環境を作っていただきたい」と想いを共有してくださいました。

地域の方からは「私も田んぼを隣でやっています。非常にきれいにしてくださり、ありがとうございます。日ごろから思っているのは、日本は農薬大国と呼ばれヨーロッパや世界の農業から逆行している印象。食の安全や農産物など、自分たちの子どもや孫の未来にどう残していくのかが大切だと思っています。非常に共感しています」との言葉をいただきました。

由井代表からは「夜にはモリアオガエルやそのほかのカエルとの鳴き声、環境音がすばらしかった。そこをボタニカルライトを照らす様子がとても美しかった。観光の方々にも通っていただいて、蘇った金谷地区と花畑を見ていただけたら」と想いを共有しました。


この日は、テレビ・新聞・ラジオなど地元メディアの取材も入り、これまでの豊受の歩みや展望を語る場として、由井代表は積極的に取材に応じられていました。

集まったみなさんにとってのお楽しみは花摘み&酵素づくりワークショップ。

1-2㎝にカットした花を、瓶につめて、有機の粗糖を入れます。3年待つと酵素が出来ます。ピンク色に咲くエキネシアの花々を見て、近隣からご参加の方は「こんなところに花畑ができていたとは知りませんでした。耕作放棄地がこのように使われるのはうれしいです」との声。

一般参加の方からは「こちらには初めて来ました。地域の協力や歓迎のもとここまでこぎつけたのは素晴らしいと思います。農業を知らない私のような一般市民にとっては、このような機会がなければ、耕作放棄地の問題について知る事はなかったので有難いです」と声を聞かせて頂きました。

会場では、アレルギーの原因物質・オメガグリアジンを含まない豊受小麦から作られた、安心安全の焼きそばや、パンなども振るまわれ、参加者みなさんの笑顔があふれていました。

収穫した農水産物を(第一次産業)⇒工場などで商品に加工し(第二次産業)⇒販売まで行う(第三次産業)この一連のプロセスは「六次産業化」と呼ばれます。

豊受式自然農の作物から、安心安全な加工食品や化粧品が作られ、それらがみなさんに愛されることによって、地球環境と命に優しい循環がどんどん育っていきます。

ここにも、地域とこの国と、世界を救う鍵があります。

豊受式自然農の取り組みと可能性が地域や参加の皆さんに体感していただけたオープニングイベントとなりました。

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