前半の発表の最後を飾るのは、岡本よりたかさんの収録講演です。
無肥料栽培家として、日本各地で自然農法の栽培方法を普及したり、シードバンクで在来種・固定種の交換、更新などを実践している岡本さんの今回のテーマは「生き方」についてのお話。
映像業界、IT業界を経て農業に転身したご自身のヒストリーを重ね合わせながら「商品を使い捨て、自分を使い捨てる生き方」に疑問を持った体験が語られます。
化学肥料や農薬で土壌のミネラルや微生物を奪う“収奪型農業”ではなく、土壌菌や土の中の命と植物に栄養を与える自然農法を第二の人生として選択したものの苦難の年月を過ごします。試行錯誤しながら種を買わずに自家採種した結果、野菜の収穫量が上がり「お金は使えば減っていくけど、種は獲って使えば増えていく。種は安心感を与えてくれる」という真理にたどり着きます。
その後、遺伝子組み換えやゲノム編集の問題に強い関心を寄せ、固定種・在来種を守る活動に。「企業によって登録と独占されてしまう前に、固定種在来種の種取りと生産に圧力がかかる前に、今のうちに種を集めなくてはいけない」と、登録品種の育成者権をめぐる種苗法の問題について力を込めて伝えます。
本来の食料安全保障とは、頼らず自給していくこと。
農薬、化学肥料、種を海外からの依存している現在の農業では「実質的な食料自給率はゼロに近いのではないか」と岡本さんは指摘します。
依存しない生き方が、今後の鍵となる。
食料だけでなく、今後色々なものが手に入りにくくなってくるかもしれない時代。今こそ自然界に学び、種を蒔き育て、生き方の変革を一人一人が始めていくタイミングなのかもしれません。
心の健やかさと豊かさを保ってくれる「自給農という生き方」。たくさんのヒントをいただきました。岡本さん、ありがとうございました。