「生態系の危機と食の未来」印鑰 智哉氏

「生態系の危機と食の未来」
印鑰 智哉氏

「世界では、今何が起きているか?」様々な観点から、実態、問題点をわかりやすく解説されました。
ブラジルでは肥満がここ10年間で肥満が2倍に糖尿病が3倍になっています。大豆やコットン、トウモロコシなどの遺伝子組み換え作物が導入された頃からと呼応しているように見えます。アメリカでも糖尿病患者や自閉症患者が急増しており、グリホサートや遺伝子組み換え耕作の割合と関係があるように見えます。日本でも自閉症や発達障害が毎年急激増えている現状があります。
遺伝子組み換え作物が与える影響として、トウモロコシや大豆でもBt毒素を作るものがあります。Bt毒素は虫の腸に穴をあけ殺すといもので、土壌微生物にも影響を与えます。また除草剤耐性遺伝子組換えに使われるグリホサートは土壌菌の半減させます。どちらも人間の腸内環境を悪化させます。腸への影響は腸内環境を壊し、リーキーガット症候群になることも懸念されます。
腸内環境の悪化から、アレルギーや自己免疫疾患、発達障害、認知症など、血液の酸化から、癌の可能性、内分泌かく乱物質として生殖器への影響など健康への影響が図り知れません。また、遺伝子組み換え農業は土壌の崩壊、喪失や生物多様性のの激減、水資源の減少と汚染など環境に大きな影響を与えます。
なぜ、今、「ゲノム編集」が盛んになってきたのか、それは遺伝子組み換えではないとして、ゲノム編集を広げようとしているからです。「ゲノム編集」は外来遺伝子を置換したり、外来塩基を変更したりする方法もありますが、「ゲノム編集」は遺伝子組み換えではないとしたいために標的の遺伝子を欠損させるという方法のみが、注目されています。
生物にはアクセルとブレーキの働きがついていますが、それらの機能をこわすことで、収穫の多い稲や巨大化する魚や毒がないジャガイモをバランスを失わせて作り出します。それらは機能欠陥品種であり、環境や健康にどんな影響があるのかもわかっていません。外部の遺伝子を入れないので自然と同じであり、問題ないということで、規制、チェックもなしにOKであるという政府の見解です。
当然そのような「ゲノム編集」の品種が市場に出回れば、健康面だけでなく、在来種にも影響を与えてしまいます。
2週間、有機食品のみで生活すると体からは有害な化学物質は検出されなくなるとのことです。その意味では、食を変えることがとても大切ということです。
日本では2015年からの5年で農業従事者が22%減少しました。米価を買い支えて農家を守るべき政府は手を打たないまま、離農させています。世界では農家に支援を行い、自国の農業を守るだけでなく、在来種を守ろうとする動きがあります。
日本も同様に地域の在来種を守り、生産者を守っていくことが必要です。また「ゲノム編集」に関しては現在表示できないことから、ゲノム編集ではないという「OKシードマーク」をすべての種苗に表示する活動をスタートしようとしています。
種子の主権は企業にあるのではなく、私たちが持ち、健康で安全な食のシステム作り上げていくことが大切です。

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