来賓講演

静岡大学名誉教授
農学博士。専門は植物育種学、持続可能型農業科学。

  • プロフィール
  • メッセージ

1939年福井県武生市生まれ。
主に突然変異育種による稲の白葉枯病抵抗性品種育成に関する研究に従事、1991年からは稲の自然農法に焦点をあてて研究を行なう。
1965年東京農工大学農学部卒業。
京都大学大学院農学研究科修士課程に進学、育種 学講座で稲の突然変異育種の研究を開始。
1967年11月同博士課程中途退学。同年12月から京都大学助手として農学部附属農場に勤務。
1969年より静岡大学農学部に移り、助手、助教授を経て1989年から教授。
1995~1999年静岡大学農学部長。
2000~2004年静岡大学副学長。
2005年3月定年退職、4月より同大学名誉教授。

1979~1982年、国際原子力機関(IAEA)の派遣専門家として働く(バングラデシュ・ マイメンシン、オーストリア・ウィーン)。
1998~2001年、日本農学アカデミー副会長(第1期)。
現在、NPO法人「MOA自然農法文化事業団」の技術顧問として大仁農場(現(公益法人)『農業・環境・ 健康研究所』 静岡県伊豆の国市)で稲の育種に取り組むほか、棚田の修復と自然農(法)による稲づくりの学びの場「清沢塾」を主宰してきたが、開設から20年続けてきた清沢塾塾長は今年1月に退任。
2019年から現学校法人静岡英和学院 院長に就任。

『生命(いのち)のかがやきー農学者と4人の対話』(中井弘和編著、野草社、2006 年)他

農業が国の基であることは誰もが認める真理だと思います。その農業の基が「種」であることもまた真理です。種は国の基であるということになります。近代日本の成り立ちの中でこの種が軽視されてきた経緯があります。さらに、今、日本は種の危機に瀕しています。土を基盤とした自然生態系のいのちの循環の中で「種」を捉え、種の人間の身体や精神に果たす役割を探りながら、種の重要性を考えてみたいと思っています。