来賓講演

河田 昌東(かわた まさはる)

来賓講演

河田 昌東(かわた まさはる)

分子生物学者

来賓講演「放射線照射、ゲノム編集による品種改良 何が問題か」のアーカイブ動画は以下リンクをクリックするご覧いただけます。(「午前の部」のボタンを押して、0時間1分40秒ぐらいから)
https://stream.homoeopathy.ac/live/live20230603cartr456Ub6SPM/index2.php

プロフィール

分子生物学者。
遺伝子組換え食品を考える中部の会代表、
NPO法人チェルノブイリ救援・中部理事、
OKシードプロジェクト理事

1940年秋田県生まれ。
東京教育大学理学部卒、名古屋大学理学部大学院博士課程満了、名古屋大学理学部助手。
専門は分子生物学、環境科学。
退職後は、四日市公害や三重県藤原町(現・いなべ市)のセメント(カドミウム汚染)公害、台湾、韓国、中国、フィリピンなど海外の公害調査や裁判支援。
1990年からはチェルノブイリ原発事故被災者の救援活動、現在は福島原発事故被災地の調査と支援活動にも携わる。名古屋で「遺伝子組み換え情報室」代表。

2010年名古屋で開催されたCOP10「生物多様性国際会議」では全国の皆さんと協力して開始した日本での遺伝子組み換えナタネ自生調査結果を発表し世界に大きな衝撃を与える。

2019年9月に「ゲノム編集 技術の拙速な推進を憂慮する学者声明」を発表。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/consumercoopstudies/537/0/537_43/_pdf/-char/en

ドキュメンタリー映画「食の安全を守る人々」にも出演、ゲノム編集技術の危険性を解説する。著書(共著含む)に『遺伝子組換えナタネ汚染』(緑風出版,2010)『チェルノブイリの菜の花畑から』(創森社,2011)『チェルノブイリと福島』(緑風出版,2011)など。

■参照リンク
▼OKシードプロジェクト
「河田昌東さん「放射線照射による品種改良 何が問題か」学習会報告 by 印鑰智哉さん」
https://okseed.jp/news/entry-179.html

メッセージ

「遺伝子操作は原子力以上に私たちの未来に大きな影響を与えるでしょう。私たちは今、何をすべきか真摯に考えなければなりません。」

今、世界は大きく変わろうとしています。世界の経済成長はこれまで主に石油化学を主とした様々な物質(プラスチックなど)の製品を手段としてきましたが、世界の資本家たちは今後は生命操作を経済成長の手立てにしようとしています。放射線による品種改良はこれまでも使われてきましたが、今後はゲノム編集や合成生物学、フードテックなどがAIとともに資本主義の手段になるでしょう。その結果何がもたらされるか、誰もわかりません。

ゲノム編集の現況は53年前に日本で初めて商業用原発が稼働した時によく似ています。

核兵器はだめだが平和利用は未来のエネルギー、とマスコミも湧き立ったのです。しかし、当時から一部の人たちは「事故が起きたらどうする」「放射性廃棄物はどうする」と指摘していました。しかし、政府や原子力の専門家たちは「事故は100万年に一回しか起きない」

「廃棄物はそのうち何とかなる」と答えました。それから50年以上たった今、何一つ解決できていません。遺伝子操作は原子力以上に私たちの未来に大きな影響を与えるでしょう。

私たちは今、何をすべきか真摯に考えなければなりません。

(2023年5月19日 河田昌東)

 

【開催報告】「放射線照射、ゲノム編集による品種改良 何が問題か」⇒

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