6月9日 午後の様子
実践報告:
日本豊受自然農(株)
『みんなが幸せになるための農業・食・生き方実現へ 日本豊受自然農の挑戦』
米丸輝久氏
「自然な種を守り維持していく、豊受農場での自家採種の実践」
日本豊受自然農スタッフによるリレー形式の事例報告が行われました。
トップバッターは、日本豊受自然農洞爺農場の米丸輝久さん。
「自然な種を守り維持していく豊受農場での自家採種の実践」をテーマに発表が行われました。
日本豊受自然農洞爺農場では原野を開拓し畑にして、主にマザーチンクチャの原料のハーブと固定種の野菜の栽培を行っています。
北海道の厳しい自然の中でもたくましく育つように、ハーブは原産地の近い環境で極力手を加えずに栽培し、固定種の野菜はアクティブプラント等で自己治癒力を高め、鳥獣害や虫から守ったり等人の手でほんの少しの手助けをし、標高、地形、土壌などによりその場所に適したものを植えて育てているのだそうです。
この洞爺農場での農業を行う際に欠かせないのが、長い時間をかけて気候や風土に適応し、その土地にしっかり根づいた固定種の種を厳選して自家採種を行うことなのです。
今回の発表では、ミニトマトを例に自家採種の実践報告がありました。程よい大きさや成長のよさ・実の付き方等で種を厳選し、毎年選抜を繰り返していくことで良い種が残り固定化していくのだとか・・・。
現代の慣行農業では大量に均一なものを効率よく生産するということが大前提となっているため、種は人工的に操作された種取りの出来ない一代限りのF1種が主流となっている中で、日本豊受自然農ではあえて手間がかかる固定種で自家採種された種を使う農業を実践することの意義が分かる事例報告となりました。
「野菜は食べ物ですけど、人間と同じ生き物でもともと自然にあるものなので個体差があって当然です。」という米丸さんの言葉が大変印象に残る事例報告となりました。
小林 且幸氏
「豊受自然農・土づくりの取り組み ~落ち葉たい肥・豊受御古菌の作成を通して~」
豊受自然農の堆肥作りを発表、落ち葉、麹菌、乳酸菌入り酵素発酵液アクティブプラント、竹粉末、食物残渣、酵素残渣、マザーチンクチャー、レメディー、ダムのミネラル、豊受御古菌、花子(牛)の糞を混ぜたものを発酵、完熟させた豊受堆肥の作り方を紹介されました。
またそれとは別に約500種類の古くから土壌にいた有益菌(豊受古菌)をぬかや酵素残渣と混ぜ込み肥料として培養する取り組みも紹介。実験段階とはいえ、驚くべき成果を上げています。
「人間としてできることは限られています。ですが、作物に目をかけ手をかけ、自分たちにできることは精一杯行い、共存共栄していければと思っております。今後も作物や自然・微生物への畏敬の念、感謝の念をもちながら努力していけたらと思います」という言葉で締めくくられました。
朴訥な語りや内容から農業に信仰心をもって真摯に取り組んでいる様子をうかがわせる発表でした。
森本 翔太氏
「函南農場、農業実践報告・野菜編 ~2019年は「温故知新」で勝負!!~」
日本豊受自然農 函南農場で野菜づくりを担当している森本翔太さんからは、現在どのような農業を実践しているのか発表がありました。
より安心で安全な作物に育てるために、藁マルチを実践していることや、ぼかし堆肥の熱を利用した昔ながらの温床による育苗等について、1つ1つわかりやすくご説明されました。
又、ホメオパシーを活用したアクティブプラント、日本豊受自然農で栽培している朝日米や色彩選別機の紹介等、発表は多岐に渡りました。
日本の将来を担う若者の清々しい発表に、会場の人々は感銘を受けられたようです。
松永 高茂氏
「安心・安全な商品を提供するために ~白砂糖を使用しない商品製造への取り組み~」
安心・安全で栄養価の高い美味しい商品をとどけたいという思いは並々ならぬものがあります。自然農法で育てられた野菜の個性を活かし、保存料・防腐剤・食品加工物は一切使用せず、商品を開発製造している日本豊受自然農株式会社加工部。
・一切の食品添加物を使わないゆえにレトルト食品の工程に手を抜かない。
・不自然な人工物である砂糖は使わず、糖には粗糖、メープルシロップ、みりんを使用
・自然発酵による菌の力を生かす。その中でも自然発酵による商品開発には目を見張るものがあります。
・もち米、米糀、米焼酎の自然発酵から生まれたみりん。
・酒粕、甘酒、豆乳を原料に酵母菌、麹菌、乳酸菌の発酵パワーのつまったアクティブフローラ
・みりん糖、エキネシア酵素に豊受自然農の野菜、きな粉などを配合したエナジーバー
今後は豊受野菜やハーブを練り込んだ製麺の他、野菜と鹿肉を中心にしたペットフードの開発も行っていくとのこと。今後も日本豊受自然農の加工品に大注目ですね!!
「肌が喜ぶ化粧品作り」
続いて、豊受自然農の農家が作る自然化粧品についての発表がありました。
10年以上前から肌が喜ぶ自然に近い化粧品づくりをしている日本豊受自然農。パラベンフリー、石油由来原料フリー、豊受の野菜、ハーブを使った基礎化粧品から始まり、今年1月からはメイクアップ化粧品が登場!
皮膚呼吸を抑えてしまう酸化チタンフリーで、豊受自然農でとれた紅花や人参を原料にしている豊受自然農メイクアップ化粧品。
お客様からは「付けていてラク」という感想を頂いているそうです。
信仰心、ホメオパシー、豊受化粧品で、健康な体、心、ツヤのある肌を目指したいですね。
来賓講演:
鉄崎 幹人氏(アウトドア派タレント)
『農業と生きもの』
自然をこよなく愛する、アウトドア派タレント、自然保護のメッセージを送り続けている鉄崎幹人さん。由井代表が、鉄崎さんがパーソナリティーを務める静岡SBSラジオの番組に出演したことがきっかけで、今回、シンポジウムでの講演となりました。鉄崎さんならではの豊かな経験とユーモアにもあふれたトークに会場全体がひきつけられました。
農業については、これがないと人が生きていけないのだから、国が守るべき最も大切なものであり、田園は多様な命を育てる日本人の心の情景の場である。子供たちは田んぼにいき、そこに生息する生き物と遊ぶことによって、農業というものに近づいていく。田んぼは生物多様性の宝庫であることを改めて感じる。水生昆虫は水田環境の変化を真っ先にうける。全てが暮らす田んぼが安心安全豊かな田んぼ。生き物をみて農地の健全具合をみることができる。しかし、生き物たちがいなくなっている、童謡で歌われてる生き物たちが絶滅危惧種となってしまっている。めだかもそう。あたり前にいたものがいなくなっているのは人間への警鐘である。経済第一主義の食づくりは巡りめぐってやがて人間の暮らしや健康に影響を及ぼす
何で農薬をつかうのか。安くて、きれいで形がそろえているものを求めているから、ぼこぼこでもいいよ、ということを一緒に考えていかないといけない。日本みつばちも農薬で巣に帰ってこなくなった。日本の農業は生産者と消費者みんなで守っていかなければならない。自然との共生循環型社会を作ってくことが大切。
赤とんぼがいて、ドジョウがいて、さまざまな昆虫がいて、トノサマガエルがいて、アオダイショウがいる田んぼ。さまざまな生物にあふれている田んぼ。それが日本人の原風景であり、心の豊かさを育んでいたことを思い起させてくれる講演だった。
体験発表:
CHhom6期 卒業生
『信仰心を高め、インナーチャイルドを癒し、自然な食を実践することで鬱と絶望を乗り越えた体験談』
CHhom(カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー)プロフェッショナルホメオパスコース卒業生による体験談発表は、聴衆の心を打つものでした。
物心ついた時にはすでに人生は苦しいものだと信じ、親御さんとの温かい触れ合いもなく育ち、誰とも心を通わせたことも甘えたこともなく、心は恐怖で凍りつき、生きている実感が全くない人生を生きてきて、魂は体から抜け、何もない虚無の世界にいた発表者。
しかし、魂の恩人との出会いをきっかけに、CHhom(カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー)に入学。
由井寅子CHhom学長からの“乗り越えられないことは起こらない。人は苦しむために生まれ、幸せになるために生きる”という言葉によって、現実に向き合う気力が生まれたとのこと。
「体には自然な食、心にはインナーチャイルド癒し、魂には霊性的なものの見方、そしてホメオパシーのレメディーやフラワーエッセンス、これらにより私の全てが底上げされました」と力強くお話してくださいました。
由井学長が確立した、魂・心・体を三位一体で癒すZENホメオパシーと出逢い、般若心経を唱え、神様仏様ご先祖様に生かされているという謙虚さを得て信仰心を高め、同時に、日本豊受自然農の安心安全な野菜からのエネルギーを受け取ることによって、どれほど長い間絶望と虚無の中にいたとしても、本来の心を取戻し、本当の自分の人生を生きられるようになると自らの体験を持って語ってくださいました。
多くの人々の愛に気付き、感極まって感謝を述べるその姿は、まさにつらい人生を生きられている方への希望に満ちた力強いメッセージでした。
基調講演:
由井 寅子氏(日本豊受自然農(株)代表)
『みんなが幸せになるための農業・食・生き方』
由井大会長の今回の発表は「食と母性」をテーマに発表を行いました。
「母性の源は、家族に美味しいものを食べさせたいという心。
その気持ちの大元は、赤ちゃんに母乳を飲ませてあげたい、すくすく育ってほしい、と思う心であり、 これが母性の源ではないか。母性を育てるために女性が幸せであること、そのために過去の未解決な感情のインナーチャイルドをしっかり癒してあげましょう。」というお話から始まりました。
そして、安全な農業がどうして大事なのか、母性がどうして大事なのか、食と母性の本質に触れるお話に踏み込んで行き、由井大会長と豊受自然農が考える本当の豊かさについても話され、大事なメッセージを伝えられました。
ケース上映では、18歳の女の子が患った難病の潰瘍性大腸炎の背景に母性の欠如した家庭環境があり、母を思いはかる心の葛藤、迷いや苦しみによって大腸がダメージを負うという霊的な見解が述べられ、母子共にインナーチャイルドを癒すことの大切さをアドバイスされました。わずか数ヶ月のZENホメオパシー治療によって潰瘍性大腸炎が治癒し、またクライアントが祝詞心経を習慣化することで信仰心が深まり生きる力が甦ったという素晴らしいケースの紹介でした。
愛する我が子に語りかけるような穏やかな由井大会長の言葉は母性に溢れるもので、聞いている方々に優しく染みわたるような発表でした。
「作物も人も元気に育つ秘訣も、土や作物や人への愛と感謝に尽きます。その安心感と安らぎを与えてくれるのが、母性であり、そのベースが信仰心にあります。全てに感謝する心、全てが有り難いと思える心こそが最高の幸せであり、それを目指してこれからも農業馬鹿でやっていきます」という由井大会長の強い決意と共に発表を終えられ、会場からの盛大な拍手で発表は幕を閉じました。
パネルディスカッション
締め括りとなるパネルディスカッションには、プレイベント出演の豊受クリニック院長の高野弘之さん、来賓講演として発表いただいたオーガニック農業指導者の野々川尚さん、TV、ラジオなどでパーソナリティーとして活躍されているアウトドア派タレントの鉄崎幹人さん、由井寅子大会長の4人が登壇、フラワーエッセンス研究家の進行のもと、ディスカッションも大変盛り上がりました。
閉会の挨拶
由井大会長が今回のシンポジウムは、自然型農業から安心安全、栄養ある食を通じて、また心、体、魂までも含めた健康や幸せを願う豊受のグループのスタッフが気持ちを1つに1年間準備してきたイベントであることを紹介し、急遽大会の運営に携わるの数十名のスタッフが檀上に召集され、今回のシンポジウムが、これらの裏方のスタッフ、そして会場に来てくれた皆さんのお陰で大成功したことに感謝を述べ、来年も京都で「第9回 日本の農業と食を考えるシンポジウム」を開催するので、またぜひ来年も来てくださいとのアピールで今回のシンポジウムが締めくくられました。