シンポジウムの様子 午前

開会式

まるで本日のシンポジウム開催を祝福しているかのような雲一つなく晴れ渡った青空の下、京都リサーチパーク サイエンスホールをメイン会場に「日本の農業と環境シンポジウム」が、札幌、東京、名古屋、福岡、沖縄のサテライト会場を結んで200名近い皆様にお集まりいただいてはじまりました。

開会式は、まず「国歌を歌うことは、国家を愛することと同じくらいに自然なこと」という思いから、君が代斉唱から始まりました。会場が清浄な気に満たされる中、次に、大会長(農業生産法人 豊受自然農 代表由井寅子)からご挨拶をさせていただきました。8年間の自然農の取り組みを初めに紹介した後、ホームページにも掲載されている大会長挨拶にもありますように、戦後始まりました農薬、化学肥料などへの過度の依存が農地の荒廃だけでなく、多くの病気「食源病」を生み出している事実に触れ、今、目を覚まして、農薬や化学肥料を使わない自然農へ戻ることの必要性を訴えました。

大きな地球のバルーンを客席に投げ込み、環境や地球をもっと意識していこうというサプライズも用意されていました。皆、歓声をあげながら、そのバルーンを運び飛ばす趣向を楽しんでおられました。最後に日本の伝統にのっとった開会の陣太鼓で挨拶が締めくくられました。

大会長挨拶の後には、農業生産法人 日本豊受自然農株式会社の静岡県函南町と北海道洞爺でに自然農四季折々の取り組みの様々なシーンを取材した映像で紹介されました。

飯島秀行氏

最初の講演者は、一般財団法人テネモス国際環境研究会 理事長 飯島秀行さん。今から18年前に、真理伝達者に出会ったことがきっかけとなり、ボリビアでの農業プロジェクトに参加。あたりまえの世界の実現、「教科書」の書き換えという目的を持って活動されており、フリーエネルギーの研究家でもあり、今、新しいパラダイムの科学を実践し語る上では、最も注目されている方の1人でもあります。今回は「宇宙の法則からみた農業の理論と実践」というテーマで講演いただきました。

すべての自然現象は「たった一つの法則に従う」という真理を、実践体験を積み重ねることで体得されたという飯島先生の語り口は、静かで穏やかながらも自信と確信に満ちていらっしゃいました。

1時間の講演ではとても話しきれないほどでいらっしゃいましたが、特に、ホメオパシーを普段実践している私たちからは、病気の原因を「たった一つの法則」から考えていくことは、すんなりと理解できるものでした。また、日本豊受自然農でも肥料に発酵物を積極的に利用しておりますが、肥料とは何か、堆肥はどのように作るべきかという教えはこれも腑に落ちる内容で、明日からでも実践していくべき内容だと思いました。

真理を理解していらっしゃるからこそ、残飯を強制的に発酵させて40分でホクホクの堆肥をつくる技術などもお持ちなのだと思います。この映像には会場全員が驚かされました。その他にも放射能への対応方法などをお話しいただきましたが、まだまだ話も尽きないまま講演は終わりました。集中心の張りつめた雰囲気のなかで行われたとても内容の濃い1時間の講演でした。

大下伸悦氏

続いて、グリーンオーナー倶楽部(GOP)の大下伸悦さんが「耕作放棄地も人も劇的に蘇った。利他共生の農地再生運動」というテーマで発表されました。大下伸悦さんは、言霊研究家や21世紀「幸塾」専務理事としても活躍されており、福島原発事故後に、緊急出版された『時代は変わった。でも大丈夫!生活費を減らして健康になる』という放射能時代を生きる生活の知恵を書いた本は、本屋に置かれていないにも関わらず、口コミで1万部近くも売れるなど、一種の社会現象にもなっています。講演自体も大下伸悦さんのお人柄が表れたような暖かい、ほほえましいような講演となりました。

最初に、ホメオパシーのような自己治癒力を触発する真の療法がこれから広がっていくことへの期待、そして、そのホメオパシーの普及でとても大切な役割をされている今回のシンポジウムの発起人でもある由井寅子代表のホメオパシー普及活動へのエールを送って頂いた後に、大下伸悦さんが実践されている耕作放棄地の自然農で蘇らせる話が続きました。千葉で水害後40年間放棄された耕作放棄地の農地への復活のエピソード、引き続いては、『マインドコントロール』の著者、池田整治さんの実家の愛媛県の耕作放棄地を、そこで働く人づくりや地域の活性化も合わせて取りくんでおられるエピソードを、さらに京都での農薬、化学肥料を使わず、刈り取りしかせずにお米づくりをされているエピソードなど20分という短い時間ではありましたが、とても濃縮された内容のお話しでした。

成瀬一夫氏

引き続きの講演では、NPO法人 元氣農業開発機構 常務理事であり、環境農業新聞社の創立者でもある、日本農業の問題点を知りつくした農業ジャーナリストとして活躍中の成瀬一夫さんに「自然農を推進することは日本復興につながる」というテーマでお話をうかがいました。

お話の中では、農薬、化学肥料を使い続けることで、日本の多くの方々が病気になってしまうのではなかろうかという構造的な恐ろしさについて、特に、硝酸態窒素肥料、ネオニコチノイド系農薬など、農薬の恐ろしさについて大変わかりやすく解説頂きました。そして、後継者がつき、農民が富む、希望が持てる農業が育つように、農薬や化学肥料除草剤などを使わない様々なアイデアにあふれる農法、例えば、ベランダでも実践できるようなポット式の農業などをご紹介頂きました。

お昼休み

休憩時間には、ブース出展など「日本の農業と環境シンポジウム」に相応しい趣向を凝らした企画も行われていました。

京都のメイン会場をはじめ、サテライト会場となった同時中継の会場でも、農業生産法人 日本豊受自然農の静岡県函南の自然農園で収穫されたほうれん草や大根、かぶなどのお野菜、大自然の「気」にあふれる、農薬や化学肥料を一切使っていないパツパツのお野菜の即売も行われました。また、東日本大震災被災地へのJPHMAの支援活動で大変評判だった、お湯を入れるだけで無農薬・化学肥料不使用のお野菜の味噌汁が食べられる自然醸造の味噌と乾燥野菜なども販売されました。自然農の小麦で作られたクッキーや、ジンジャーティーなども喜ばれていました。また、洞爺の自然農場の水源地付近の、弱アルカリ性で非加熱、自然そのままの湧水をボトリングした「ほめ水」も提供されました。

これは、京都メイン会場だけの特典となりましたが、お昼休みに函南自然農園でとれたお野菜に、オメガ3や6を豊富に含む亜麻仁油や麻油などを使った低温圧搾オイルをドレッシングにした野菜サラダや、自然農の材料でつくられたお味噌汁も振る舞われ、思いがけないお昼のプレゼントに皆さん喜んでおられました。また講演者の書籍などを扱うコーナーでも売切品が続出するなど参加した皆さんの関心の高さがわかりました。

今春4月3期生が開講する4年制のプロフェッショナルホメオパス養成スクールCHhomのブースでも、学校の問合わせや、セール商品買い求める方に加えて、ホメオパシーについて熱心に質問される方や、ホメオパスの健康相談について問合わせる方なども目立ちました。

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