新着記事
  • HOME
  • ブログ
  • 新着記事
  • 山田正彦(元農林水産大臣、日本の種子を守る会顧問、弁護士) 特別講演 「今、皆さんに知って頂きたい大切な話」

山田正彦(元農林水産大臣、日本の種子を守る会顧問、弁護士) 特別講演
「今、皆さんに知って頂きたい大切な話」

原村政樹監督
「タネは誰のもの」映画及び「食の安全を守る人々(仮題)」新作映画を語る

長年、日本の農業と食の安全を守る活動をされている山田正彦氏より、種子法改正、種苗法改正
の問題点、遺伝子組み換え、ゲノム編集食品のリスクやグリホサートの問題とアメリカでの裁判など
幅広い視点から、わかりやすく解説いただきました。

これまで、日本の主食であるコメ、麦、大豆の伝統的な在来種は、種子法によって国が管理し、各都道府県に対して 農家に安定して提供するように義務付けてきました。その地域に合った多様な品種を提供してきました。種子法がなくなると、あたりまえのように食べできたコシヒカリなどが食べられなくなってきます。私達にとって大事なその種子法は、2017年の国会審議で廃止が決まったのです。この決定の裏にTPP協定がありました。

種子法が国会で廃止されてから地方が動き出し、種子法に代わる県条例を作り始め、現在、22の都道府県で「種子条例」が制定され、これらの県では従来通り伝統的なコメ、麦、大豆の種子を農家は安価に安定して提供を受けることができるようになりました。

ゲノム編集の種子に関しては、安全審査の手続きもなされないまま、表示もなく、流通するリスクがあります。日本政府はゲノム編集食品は遺伝子組み換え食品と違って、異なる種の遺伝子を組み換えてるのではないので、安全であるとしています。

実際に昨年の10月から、ゲノム編集食品については食品安全委員会の審査手続きもなく、生産の届出も任意で、表示もされないままに流通が始まりました。しかしゲノム編集はまさに遺伝子組み換えによるもので、EUなど各国では「New GMO」として遺伝子組み換えと同様の厳しい扱いをしているのです。

ネイチャー誌にもGMO 論文を掲載したカリフォルニア大学バークレー校イグナシオ・チャペラ教授にインタビューした際に「ゲノム編集は遺伝子組換えの延長上の技術であり、人の命、健康に深刻な危害をもたらすものである」とおっしゃっていたということです。

また、この秋に国会審議される予定の種苗法改定案では登録された品種は自家増殖一律禁止になり、登録された品種は、お金を払って許諾を得るか、もしくは一本ずつ苗を購入しなければならなくなり、違反した場合には懲役もしくは罰金、共謀罪の対象となるとのことです。

現在、種苗法改定をやめてほしいと署名運動を行っていますが、それだけでなく、多くの方が地元の国会議員に要望をあげていただきたいとのことです。また、多くの方に種苗法改定の問題点を知っていただくために「タネは誰のもの」の映画や「食の安全を守る人々(仮題)」の新作映画を見ていただきたいとのことでした。様々な観点から、日本の食の安全、農業のため、未来の子どもたちのために熱く語っていただきました。

引き続き、原村政樹監督より、映画を作ることになった経緯と思いを紹介していただきました。

最初に山田氏より映画を作りたいこの依頼を受けて、どういう映画を作るのか、農薬や種も問題など
領域が広すぎるので、悩まれたとのことです。山田氏といっしょに日本や海外の方にお会いして、
その方々の人間性が素晴らしく、その方の持つ人生の軌跡、大きさを感じられ、そのインタビューそのものがそのままドラマになると思われたとのこと。社会的な問題点があるのは確かだが未来に希望を与える、見終わった時にあたたかい気持ちになるそんな映画を作りたいと思ったとのことです。内容的に一本の映画ではまとめきれないので、2本の映画「タネは誰のもの」の映画及び「食の安全を守る人々(仮題)」の新作映画となったとのことでした。ぜひご覧ください。

関連記事一覧