安部芳裕(あべ よしひろ)
作家。ソーシャルアクティビスト。著作に「だれでもわかる地域通貨入門」「ボクらの街のボクらのお金」「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」「日本人が知らない恐るべき真実」「金融崩壊後の世界」「国際銀行家の地球支配/管理のしくみ」「みんなが幸せになるお金の話」「原発大震災の超ヤバイ話」「原発震災後の日本の行方~知られざるTPPの真実」「世界超恐慌の正体-コーポラティズムvs国民国家の最終戦争」、監修書に、「銀行がナイショにしているお金のひみつ」などがある。持続可能な自立型経済の構築をテーマに情報を発信している。
TPP交渉参加は絶対反対!STOP TPP!!を改めて強く訴えよう!
2月23日未明(日本時間)に行なわれた日米首脳会談では、「日米TPP共同声明」なる文書が出され、安倍首相はTPP交渉参加に踏み出す意向を表明しました。それと呼応する形で、マスメディアは一気に「TPP交渉参加へ」「関税の聖域を日米で確認」と、まるで日本のTPP交渉参加が決まったかのような報道を繰り返し流しています。そもそも、今回の日米首脳会談の内容は、TPP交渉全体を律するものではなく、あくまでも日米の思惑のすり合わせです。日本の交渉参加には交渉参加国すべての国の承認が必要であり、関税撤廃を強く主張しているオーストラリアとニュージーランドは、承認していません。さらにいえば、TPP交渉は関税だけの問題ではなく、自民党自身もそのことを認め、すでに総選挙時に6項目の公約を掲げています。すなわち、
① 「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対
② 自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない
③ 国民皆保険制度を守る
④ 食の安全安心の基準を守る
⑤ ISD条項は合意しない
⑥ 政府調達・金融サービス等はわが国の特性を踏まえる
です。これらすべてにおいて確認ができない限り、TPP交渉への参加は許されません。
また現時点では、農業・医療・建設・消費者・法曹など国民の多数がTPP交渉参加に反対し、かつ地方自治体議会の9割以上が反対・慎重の決議をあげています。この現実を無視して米国や利潤を求める一部の大企業の側に立って「交渉参加」という暴挙に踏み出すことは、民主主義への冒涜であり、すべての有権者・住民への裏切りです。さらにいえば、世界に広がる新自由主義的な暴力的な市場経済に、自国民はもちろん、他国の人びとも道連れにして放り出すという、歴史に禍根を残す愚行でもあります。私たちは改めて、安倍首相および政府に、TPPに関する6項目の公約を守り、その実現が確認されない限りTPP交渉への参加をしないことを強く訴える緊急拡大行動を呼びかけます。TPP交渉への参加に、断固反対します!公約を守れ!