大下伸悦(おおした しんえつ)

グリーン・オーナー倶楽部(GOP)主宰
  「子供達に残すべき食、農、いのちの姿を守り伝える/
    在来種・種バンク運動」
21世紀幸塾専務理事

1949年、岩手県久慈市生まれ。各地で「思いが実現する言霊の奥義」講演。月15回以上の講演を精力的にこなす。放射能除染活動、子供を放射能の害から回復させる運動を行っている。
言霊研究家「伊勢神宮の神代文字奉納文/保存会代表」。農地再生運動・在来種の種保存拡散運動「GOPグリーンオーナー俱楽部」を展開、主宰。 21世紀幸塾専務理事。楽しく生きる会会長。新日本文芸協会顧問。作家名小滝流水。
著書『時代は変わった。でも大丈夫!生活費を減らして健康になる』新日本文芸協会きれい・ねっと刊。 500円。口コミ本で既に9000部を超えている。『親子のかたち』発売中。『いま蘇るコトダマの奥義(船井勝仁氏との共著)』『食料危機?え次元言霊と自然農』『つきの玉手箱』 『母が遠くへ行かないうちに』『父の背中』『風ぐるま・水子がかぜに』『PSA特性診断ツール』 他多数

「高齢円熟社会の意味するもの、そして自然農」

私たちに使命とプライドがあるように、農地には農地のプライドと使命がある。「耕作放棄地をよみがえらせ、自然農を始めるひとを支援しよう」というのが私たちグリーンオーナー倶楽部メンバーの活動のひとつである。この国のオーナーは誰か?それは私たちひとりひとりである。それが私たちのプライドである。

幸いなことに「耕作放棄」によって農地は自然回帰している。

千葉県の大多喜町中野地区での話…。41年前の大水害で橋は流され、田んぼの地形まで変わってしまった。地元はあきらめて、38年間、地権者たちも足を踏み入れたことがないとのことであった。それはもう、ジャングルを切り開くようなものである。10名ほどのボランティアメンバーが手弁当で通い続け、大木を伐採して幅1メートル程の橋を架けた。資材費を含め経費ゼロである。貴重な木こり体験によってジャングルが見事な農地に甦った。「なにもそんなところを開墾しなくても、いまどきすぐに田植えができそうな休耕地がたくさんあるではないか」といわれそうだが、地元の方々の農業への意識を変えるには、想定外の活動の方がいい。なにより農地の呼び掛けに応じなければならない。

39年間放棄されていた農地は自然力で漲(みなぎ)っている。昨年41年ぶりの天然自然米を収穫した。そして、はざ掛け天日干しである。農地が喜んでいるさまを想像してみてほしい。オーナー渡辺ご夫妻の笑顔がまぶしかった。美人の奥様はGOPメンバーなのだが、50半ばの主に心を奪われてしまったようだ。さっそく跡取りもできた。ちょっぴり悔しく、すごくうれしい。自宅裏の農地も20年間放棄されてあった。が、そこも自然農の優良農地としてよみがえった。

種籾も無償で融通しあっている。農業は金がかからない。耕作放棄地の多いこの地域の方の、農地と農業に対する意識が劇的に変わりはじめたのは、渡辺さん自身が農地と向き合い始めたからに他ならない。

四国のGOP池田農園は、後継者が戻ってくるのを期待して「1町4反歩」のうち、1町歩の田んぼの耕作から始めた。草取りを一度もしていないので不思議がられた。自然農というよりほったらかし農といっていいかもしれない。地元で60年近く専業農家を続けている方に「自然農というものを初めて見た」、と驚かれた。近寄ることもなかった農業者が一気にシンパシーを寄せてきた。

モミにも土壌にも、水にも意識がある。その意識体を敬うことが何よりのパワーとなる。

京都のメンバーの田んぼは、1年に1回だけ田んぼに入る。収穫をするために入るのである。籾蒔きも苗植えもない、草取りもない。稲たちは自分の意志で芽を出し、実るのだ。この田んぼの持ち主は年に数回、田んぼの畔から親子で「感謝して手を合わす」のみであった。しかし、収穫量は隣の農家の田んぼと変わらないのである。まったくの天然奔放な野生米である。「愛感謝田んぼ」と名付けられた。もっとも昨年は天候不順で例年通りとはいかなかった。

他にも埼玉県の蓮田や、いろんなところで波紋が広がり続けている。資本主義農法とは、借金に追い立てられ、結果、やりたくないことまでやらされる隷属農法である。放棄地だの、休耕地だのと言うが、そういう農地ほど、既に自然に回帰しているのだ。

日本の現状は、資本を掛けない農業を可能にした。種は買わない。資材も毒薬もいらない。そして、農地を手放すことはない。もともと日本国のオーナーだから買うこともしない。農に掛けてきた先祖のプライドを傷つけてはならない。自然農者を応援し収穫がなくても自然農開始時の収入保障というかたちで応援しあう。事業とはしていない、等と言っていてもしょうもない。ひな型を示さねばならない。

実は本音では、食糧危機のセーフティネットを広げておくことを意図している。母子(父子)家庭の、少なくとも食についての安堵を支援しなければならない。昨年の1月にはGOPとして福島の子供たちに30俵の自然農米プレゼントを実施した。更に15俵を用意している。玄米たちにも思いがある。我々グリーンオーナー倶楽部の仲間たちの思いは、「玄米や麦や芋たちの意識」とともにある。

日本人の特性は差し上げ上手と謙虚さである。思い出して、利他共生社会へと回帰させよう。

緑地面積67%の日本の自然環境は、世界でももっとも恵まれている。初夏には全国の田んぼが湖と化し、膨大な緑地と化す。自然に生きれば食で困ることはない。意識をチェンジしよう。

遺伝子組み換えの種と、農地の農毒薬被害について・・・。「種は、一晩で天然自然な先祖返りさせることができる」、農地も一晩で自然な土壌に回帰させることができる」。しかも安価でできる。そのことを知っておれば悲観から解放される。

今年は、は伊勢神宮、出雲大社の遷宮である。人類を「利他共生に導く、謙虚に橋渡しをする」のだ。高齢イコール聖として認識してよい。おおいなる存在が、日本の高齢円熟社会を用意したのだといえる。あなたという聖にそういう使命が付託されている。利他共生の時代への道筋は、高齢者が担う。わたしたちには夢がある。寝込んでいる場合ではない。私たちはまぎれもなく日本国のオーナーなのである。

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